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第34回 「猫の才能?」

つい先日、ノラ猫が我が家の飼い猫になりました。

2年前親猫と一緒に子猫2匹(生後3~4ヵ月)がエサを求めて玄関にやってきました。家猫が自由に出入りできるように玄関をすこし開けてあったのです。

親猫は元飼い猫のようで声を上げてエサをねだります。つられて1匹の子猫も声を上げますが、もう1匹は人の影におびえ逃げ回るだけです。そんなことが1~2ヵ月続きましたが、ある日子猫2匹だけが顔を出すようになったのです。どのような事情で親と離れてしまったのか、子猫たちはこれからどうするのか、非常に気がかりでした。

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家人の心配をよそに子猫たちは毎日エサを求め元気に通い続けます。あいかわらず1匹(黒猫:呼び名クロ)が声を上げエサをねだり、もう1匹(白猫:呼び名シロ)はエサを食べながらもおびえています。クロは家人の呼びかけにも反応します。シロは物陰から見ているだけです。

数ヶ月後シロは来なくなりました。時々家から離れた場所で見かけたので、どこか他に居場所を見つけたのかもしれません。

クロは通い続け一番安いキャットフードを文句も言わずに食べ、家猫より大きくなっていきました。その後、玄関先で昼寝する→玄関内で昼寝する→玄関から部屋に入りたそうにのぞいている→部屋に入り家猫の食事をうらやましそうに見ている→家猫の残り物を遠慮がちに食べるなど、家人や家猫との距離を徐々に縮めてきます。1m、50cm、30cmと背中に触れるまでには1年かかりました。2年間通い詰め、やっと家に入って昼寝するまでになりました。今では家人に顔を擦り付け、夜は布団の上で寝ています。

さて、話は変わりますがこの元ノラは我が家の飼い猫となるための努力をしたのでしょうか?

もちろん猫も含めあらゆる動物に努力の概念は理解できないとは思います。

猫は気まぐれで気難しく、風来坊で横着です。勤勉や努力とは無縁の生き物です。

しかし、子猫が親に習い声を上げてエサをねだり、親や兄弟とはぐれても空腹を満たす手段を探し、人間を恐れず、同じキャットフードを食べ続け、徐々に家に上がり込む。それだけではありません。

  • オスだが部屋の中ではマーキングをしない。(通常は縄張り主張のためスプレーする)
  • 家猫(メス)とケンカしない。(繁殖期でもからむ程度)
  • 家猫の食事を横取りしない。
  • 獲物(ねずみ・すずめ・トカゲ等々)を持ち帰らない等々。

ノラでありながらも飼い猫としての素質は充分でした。

もちろん努力はしていません。資質オンリーです。身の処し方を本能的に知っているということです。ノラ猫界のエリートです。

そのエリート様には、「自己啓発」とか「自分探し」などに奔走している人間の姿はさぞかし滑稽に見えるでしょう。身の処し方もわからずに右往左往する姿を冷ややかな目で見つめているのだと思います。

※我が家は近所をウロウロしているノラ猫を保護して飼い猫とするために、見込みのありそうなノラ猫にエサとトイレを提供しています。