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2008年11月 第27回 紙の種類3(複写紙)

さて、前回、前々回と紙の説明をしてきましたが、今回は、その紙の中でも、需要が多く、伝票、帳票に非常に多く使用される、複写紙について書きたいと思います。

複写紙とは、紙に書いた文字が下の紙に複写される紙の事で、カーボン紙とノーカーボン紙があります。用途としては、領収証、納品書、請求書、指示書等、相手と自分で共通した情報を共有するため、もしくはその証明のために、1枚を渡して、1枚を確認の保存用とするような使い方が多いかと思います。

まず1つ目のカーボン紙とは、紙と紙の間に挟んで複写するために使用する、裏にカーボンインキを塗布した紙の事です。筆圧がカーボン紙を通じて下の紙に伝わり、写る仕組みです。そのため、常に上の紙と下の紙の間にカーボン紙をひかなければならず、触ると手にも色が付いてしまうこともあります。伝票など、同じ場所に書くことが多い場合は、普通の紙に、このカーボンインキを上の紙の複写したい部分の裏にくっつけてしまう、いわゆるカーボン引きという加工もあります。けれども、次に説明します、ノーカーボン紙の登場によって、現在は需要が減少しています。

2つ目のノーカーボン紙はカーボン紙を使わずに用紙単体で複写を実現でき、感圧紙とも呼ばれます。ノーカーボン紙には主に上用紙(A紙)、中用紙(B紙)、下用紙(C紙)があり、これらを組み合わせることで、複写を実現しています。

原理は、用紙の裏面にマイクロカプセルがあり、筆圧を加えると、その圧力によってマイクロカプセルがこわれ、下の紙の発色剤と化学反応を起こして発色します。使い方は、上用紙の裏面にカプセル、中用紙の表面に発色剤、裏面にカプセル、下用紙の表面に発色剤という紙の種類ですので、4枚複写になりますと、上用紙、中用紙、中用紙、下用紙の組み合わせになります。その時々の任意の枚数複写したい場合は、全て中用紙にするとできます。

また、複写したくない部分に特殊な溶液を塗布して、発色しないようにする、減感という加工もできます。

便利なノーカーボン紙ですが、デメリットもあります。 長期保存ができず、直射日光、高温多湿にも弱く、数年程度経過すると、複写の色が薄くなっていき、より強い筆圧で書かなければならなくなります。それと、塗布してある薬品が、リサイクル工程で化学反応を起こし、古紙の品質を悪くしてしまうので、一般の用紙と混ぜての古紙リサイクルができません。

最近はコンピュータ帳票も増えてきていますし、用途としてはまだまだ使用される事の多い紙ですので、特徴をつかんで、利便性を考えながら利用していきたいと思います。

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