京富士印刷 > 印刷DTP勉強部屋 > 第31回 印刷インクとトナーインク

印刷DTP勉強部屋

2009年3月 第31回 印刷インクとトナーインク

前回書きました、デジタル印刷とオフセット印刷についてですが、その大きな違いともいえる、塗料について今回は書きたいと思います。

オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷など従来の印刷物は、種類は違いますが、液体状のインクを使用して印刷しています。インクジェットプリンタもそうです。けれどもレーザープリンタやデジタル印刷のいくつかはトナーインクを使用するものがあります。

まず、根本的な違いは、トナーは粉状になっており、インクは液体状になっているということです。トナーは、コピー機やレーザープリンタに使われており、光伝導物質を塗布した感光体ドラムにレーザー光線で文字や画像の形を照射して潜像をつくり、トナーで現像して用紙に転写する方式です。トナーを熱と圧力を利用して紙に定着させています。コピーしたての紙が、温かいと感じるのは、熱を使っているからです。

コピー機やレーザープリンタは「トナー」と呼ばれる粉が、多少は染み込んではいますが、基本的に紙の表面に乗っているだけです。それに対して、印刷物ではインクが紙の中心部まで染み込んでいます。市販の印刷物を濡れた手で触っても滲まないのは、インクが油性だからです。印刷インクでも、紙にもよりますが、2~3時間以内に触るとインクが手につきます。1日置いても乾かない紙もあります。乾いていない印刷物を動かすと、汚れの原因になりますので注意が必要です。

「印刷」では繊維の深くまで「インク」が染み込んでいますので、多少紙の表がはがれても印刷した文字は簡単には消えないのです。また、「印刷」した場合、インクの種類と紙の種類で決められた乾燥の時間を取った後に出荷されますので、その意味でも印刷物の方が安定しているという面もあります。つまり、すぐに乾いて動かせるのはトナーインクですが、最終的な安定力は印刷インクとなります。

けれども、印刷インクは紙に染み込む過程で、色が変化してしまうことがあります。特に上質紙、官製はがきなどの無塗工紙や和紙は印刷時の色と、乾いてからの色が大きく変化します。印刷したての色は少し光って見えるため、トナー出力にも似ているのですが、印刷インクはその後時間をかけて紙に沈んでいきます。しかも、どれだけ色が変化するかは、色と紙によってまちまちなので、中々合わせるのは難しいのが現状です。そのため実際の印刷機で印刷インクを使って色校正を行わないと、トラブルの原因にもなります。

数量や形、大きさ、色味によって印刷の方法は変わりますが、お客様が何を求めるのかによって、印刷方法だけではなく、色校正の必要性や紙の種類を考えるようにしなければならないのだと思います。

【バックナンバー】